アジア防災事例5(津波)インドネシア

アジア防災事例5 、最後は、津波についてです。
 
近年アジアで発生した津波による災害、最も大きなものは2004年のインドネシアのスマトラ島沖地震(マグニチュード9.1)に起因する津波です。津波は14カ国を襲い、インドネシア、タイ、インド、スリランカ、バングラデシュ、ミャンマー、マレーシア、モルディブが特に大きな影響を受けました。死者25万人、住居を失った方は500万人に上ります。
 
インドネシア・スマトラ島の最北端に位置するバンダ・アチェという街では、17万人の死者が出ました。
沿岸からわずか2kmの小学校では、施設が壊滅的な被害にあい、300人の児童のうち、命が助かったのはたった17人。
被災前、この小学校の校舎はコンクリートと木材で半永久的な構造で建てられていましたが、屋根からは雨漏りがし、生徒は薄いベニア板で作られた机と椅子で勉強していました。
 
しばらくして生き延びた生徒のために、NGOなどが緊急の教育施設を設け、テントでの授業を再開し、国際機関等の支援金で、学校が高台に建設され、1年後に新校舎が完成しました。
 
学校内には、地域の集会所も併設され、地元民900人が集まれる地域交流の場の役割も担えるようになりました。
災害発生時の避難場所としての役割、津波発生時には一目散により高い場所へということも含め
日頃から馴染みのある場所への避難ができるというスタイルを確立しています。
 
また、現在は学校で定期的に防災訓練を実施しており、子どもたちは避難、応急措置の方法やストレッチャーの場所、使用方法などの訓練を受けています。再び津波がこの地を襲っても、防災教育を受けている児童たちはより適切な行動を取ることができ、地域住民も適切に避難することが可能になったはずです。
 
ビルド・バック・ベター(Build Back Better)という考え方があります。
より良い復興という意味で災害以前と同じ状態への復旧を目指すのではなく災害前よりも災害に強い仕組みを作り上げるということを意図した言葉です。
 
今回の事例はまさにBuild Back Betterというものを体現しているものであると言えます。
 
これまで、洪水・台風・地震・火山・津波とアジアでの防災事例を取り上げてきました。
全ての自然災害について、このBuild Back Betterという考えのもと防災対策がなされるべきである、と言えます。
災害が発生し、その時の経験を活かし、来るべき次の災害に備え災害に強い仕組みを作り上げることです。
そのためには地域、コミュニティという考え方が非常に重要であり、中でも学校という役割がそのコミュニティの中心を担う存在として期待されています。子どもたちが災害時のリーダーとして活躍できるような、そんな時代をつくっていこう、という動きが起こっています。